コラムブログ

当スタッフが法律のアレコレを語ります。法律って意外と面白い!?

01月
06
遺言信託 銀行は当てにならない

弁護士中林です。
今日はニュース記事の紹介からです。

銀行が高齢者から手数料を搾取「遺言信託」 弁護士に頼むほうが安値安全
https://smart-flash.jp/lifemoney/127861

弁護士サイドから、若干お手盛り感のあるニュースですが、
銀行による遺言サービスが高値で当てにならないという点は、激しく同意です。

高値というのは、
銀行は100万円以上の手数料を取ったうえで、遺言作成は弁護士に、相続税対策・申告は税理士に、登記業務は司法書士に丸投げ。銀行自体は何もしません。強いて言うなら安心感を売るのでしょうが、公正証書遺言は公証役場が保管するから安心なわけで、銀行はやはり何もしません。
遺言書を貸金庫に入れておけば安全、というのはブラックジョーク。そもそも遺言書(正確には公正証書遺言正本)が手元になければ貸金庫の開扉ができないため、遺言書を貸金庫に入れてしまったら何もできないわけです(正確には再度謄本を取り直す手間と比費用が必要になる)。

当てにならないというのは、
遺言作成の委託を受けながら、相続が始まり相続人間で紛争が生じると「うちでは何もできません」とさじを投げる。
嘘では無くて、銀行がさじを投げて、銀行に見放されて、弁護士に相談に来る依頼者の案件は少なくないです。
そもそも遺言というのは相続紛争を完全に防ぐものでは無く、紛争を見据えて特定の相続人に有利になるように作るもの。
紛争になったら依頼者を置き去りにして逃げだすというのでは、そもそも遺言作成サービスを行う資格がないはず。

遺言作成サービスの化けの皮がはがれる時も近いでしょう。

2021.01.06 * 22:45
12月
04
家賃支援給付金、一週間で入金されたレポート

弁護士中林です。
私が相談受けた方の件ですが、コロナ対策の目玉の家賃支援給付金、秋頃はものすごく時間がかかると言われていました。
その方は11月下旬に申請して、12月頭に入金があったそうです。
前提として契約書など書類の不備はなく、変わった事情として、今年の7月に物件を移転したケースです。
当初はご自身で申請できるだろうと、書類はある程度そろえて頑張っていましたが、webサイトへの入力やファイルの添付の段階で進まなくなりました。
物件の移転があった場合に旧契約書と新契約書の両方を添付する方法がわからなかったようです。

私からは、とりあえず「申請サポート会場」に行ってみては~と若干人任せなアドバイスをしましたが、私も恥ずかしながら入力につまづいてしまい、やはり餅は餅屋と思った次第です。

申請サポート会場の予約は2週間前から可能ですが、2週間全て満席。
と思いきや、名古屋駅前の翌日の朝イチの時間だけ空いていたので、すかさず予約。
持参する書類のコピーなど慌ててお手伝いしました(結果、現地にスキャナーがあり、原本をそのまま持っていけばよかったようです・・・)。

名古屋駅前の申請サポート会場は、手探り感はあったものの、20から30代のお兄さん方に親切に対応していただき、1時間程度で処理していただいたようです。
ちょうど隣に来ていた別の申請の方は4回目だったそうで、自分もまた来るかもと不安を感じつつ、自身ではどうにも進まなかった入力が進み、ひと安心して帰られたようです。

それから一週間、会う人ごとに、申請サポートの話をしたり、他の人は1か月はかかる、いやそれ以上だと聞きながら、気長に待とうと思い、ふと別用件で口座をみたら入金があり、本日驚きの連絡をいただきました。
私は何も力になっていませんが、義理堅い方ですので。

その方の書類に問題が無かった、あるいはケースとしてシンプルだったことが一番でしょうが、サポート会場から確実な方法で申請する方が間違いなかったのでしょう。またはそろそろ審査も落ち着いてきたのかもしれませんが、ブログを書きながらサポート会場の予約状況を確認したら名古屋駅も栄もほぼ満席で、来年明けに無事終えられるのか、あるいは延長されるのか、何ともわかりませんね。

今後、web申請とサポート会場を併用した形態の補助金事業は多くなるかもしれません。
申請数が多くなっても、紙資料の紛失破損の懸念がないだけでも、審査する側の事務処理がはかどることは間違いないでしょう。
サポート会場をどれだけ充実させるかは重要で、事業や雇用を生み出すことにもつながると思いました。

2020.12.04 * 12:23
11月
26
勾留準抗告が認められました。

弁護士中林です。久々の投稿ですが、本日国選弁護人を担当する案件で、被疑者の勾留決定に対する準抗告が認められ、被疑者が釈放されることとなりました。
今回の準抗告は弁護士会の全件異議申立運動に促される形で申立てました。
近年認容される例が増えていたのですが、自分の案件で認容されてみると非常に驚きました。

登録したばかりのころ、5月のGWに何ら捜査が進まないのに勾留が継続されることに強い不合理を感じ、決定に対する準抗告、延長に対する準抗告、取消請求と立て続けに申し立てても、のれんに腕押し、非常に残念でした。その案件が不起訴となっただけに、漫然と勾留が続けられることにさらに不合理を感じました。
人質司法に対する批判の高まりが実務を動かしたことを実感しました。

勾留が解かれるポイントは身元引受人たる人物(家族、仕事関係者など)と速やかに連絡をとり、身元引受状況を整えることです。
しかし、勾留と同時に携帯電話が押収され、肝心の被疑者との接見により家族等の電話番号を聞き出せることは、意外にもまれなことです。担当刑事に連絡し、アドレス帳から意中の連絡先を検索してもらえるか、非常にやきもきします。
やっとのことで聞き出した連絡先の人物から「関わらないで」と言われることもあります。

被疑者本人の日ごろの行いが鍵と言うと身も蓋もないかもしれませんが、逮捕されたときに外部と連絡を取れるかどうかが鍵という情報はもっと広まっても良いかもしれません。
弁護士としても、初動で機敏に動き、身元引受状況を整える意識がより求められることと思います。

2020.11.26 * 23:13
12月
29
法律事務所とホスピタリティ

本年の当事務所の業務もひととおり終了しました。
準備書面に追われてという状況は回避しましたが、年明けすぐに打ち合わせが立て込んでおりますので、年末年始の休暇をゆっくり過ごしたいと思います。

今年は、9月に入院し、皆さまに大変ご迷惑をおかけしました。
大事には至らず、現在はすっかり回復し、順調に仕事に取り組めるようになりました。

長期入院は初めての経験でしたが、病院、英訳すると「hospital(ホスピタル)」がどういうところか実感するいい経験でもありました。
食事制限中心の治療で、やや疲れはでたものの、睡眠もよく取れて、入院前より体調は良くなったと思います。
退院後、食事制限を自力でやってみようとしましたが、自力では我慢が続かないですね。
病院の治療、施設、医師看護師のサポートあっこそ食事制限もできるものかと思います。
ホスピタルやホスピタリティの語源はラテン語「hospes」で客人という意味だそうですが、病院の語源がメディカル、メディシンなどの医術に関する言葉でなく客人やもてなしと関係する言葉であることに考えされられます。
サービスの内容(医術)よりサービスの提供方法(もてなし)が重要であるということでしょうか。医術は古代は必ずしも治療結果に結び付かなかったというのもあるかもしれませんが。

法律事務所は、「法律」と付くくらいなので、昔からサービス内容たる法律技術や法律知識に、依頼者の方の関心があったのは間違いないでしょう。
ただ人を相手に業務を行う業種として、「法律」サービスをどのように提供するか、問題にどう向き合うか、依頼者の方にどう向き合うか、病院のあり方が共通してくる部分は、やはり多いと思います。

朝ドラ「まんぷく」に登場する「東太一」弁護士の役柄にも考えさせられます。
ドラマ、フィクションなのですが、粘り強さ、愚直さ、依頼者を生かす道筋の見つけ方、ただでは転ばない姿。
これぞ弁護士!と応援しているのですが、人気も出てきて欲しいと密かに応援しています。

「法律家は社会生活上の医師である」
「市民に身近な法律サービス」
法学部生の頃から、試験勉強をしていた頃から、弁護士登録をしたばかりの頃から、絶えず目に耳にしてきたもので、最近は陳腐な言葉と思わなくもなかったのです。
依頼者の方に向き合う場所、依頼者のために智恵の限りを尽くす場所は法律の争点だけでないということを実感する年でした。
入院やドラマのお蔭、だけでなく、日々の業務に日々勉強させていただいた年でした。

来年も皆さま方の変わらぬご支援ご鞭撻を糧に、引き続きよろしくお願いいたします。
良いお年をお迎えください。

弁護士 中林良太

2018.12.29 * 15:26
04月
04
相続税申告期限

相続税申告・納税には被相続人の死亡を知ってから10か月の期限があります。

遺産分割に時間がかかる場合、申告期限内に確定的な申告ができなくなることはよくあります。

その場合でも、10か月の期限内に法定相続分や遺言内容に応じた申告をいったん仮に行うことで、無申告加算税をストップすることができます。

当初の申告期限が経過した後、遺産分割や遺留分減殺が確定してから、修正申告や更正手続きを行うことになります。

仮に申告を行う場合は、遺産から分配を受けないうちに、いったん数10万円から100万円を超える納税が発生するので、資金準備の負担は発生します。

しかし最終的に納税する額は少なくなるので、仮にでも申告を行うことが必要だと思います。

そのような状況では自身で進めるより、税については税理士に、遺産分割等の見通しは弁護士に相談して、早期に見通しを立てて進めるべきです。

やはり、税理士と弁護士の連携が不可欠です。

2016.04.04 * 10:26
03月
30
家事調停の利用法

先日の相談であらためて感じたことですが、裁判所に持ち込めば問題はすっきり解決するというものではありません。

相談者の方いわく、現居所では兄夫婦および兄の子供の家族と同居している。3階建ての自宅は兄と兄の子供、配偶者が建築資金を負担している。

これまで父親の在宅介護・日常の世話に自分が携わってきたが、父の死後、兄からいずれ家賃を払ってほしいと言われた。

父の年金・預金から月にいくらか自分の生活費を支出してもらっていた。父の預金の管理は相談者が行っていたので、預金を引き出し様々な支払いに充てていた。

建物敷地は父の単独所有または父の権利が存在している。兄は全てを自分で取得したいようである。

この状況で、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てても、裁判所で扱うのは、敷地の権利をどのように分割するかという点のみです。父の年金・預金から生活費を得ていたという話題は、遺産分割調停では「扱わない」となります。ましてや、兄にどれくらいの家賃を払うか、退去するなら立ち退き料を取れるかという点は、家庭裁判所では一切扱いません。

紛争(もめごと)はトータルで解決してこそ意味があり、トータルで捉えることにより、交渉材料が増え、解決の糸口が見えることもあります。この点、裁判所は原則的には遺産すなわち死者が遺した財産をどう分けるか(しかも預金は扱わないことが原則)のみを話し合う場であって、その他の争点は「当事者で話し合って下さい」というスタンスです。

ただし、調停が無意味というわけではありません。私の経験では調停委員はじめ裁判所はきちんと説明すれば、紛争の全体像についても聞き取りをし、理解も示してくれます。あくまで強制力を働かせるのは遺産分割のみというだけで、間に立って遺産分割の周辺事情、周辺の要望、トータルの解決案を相手に伝えることもやってくれます。

しかし、そのためには紛争の全体像をうまく説明すること、家裁が遺産分割の問題として扱える争点、本来は遺産分割調停の対象外だが交渉材料となりうる事情、こちらが譲歩できる事情、譲歩が難しい事情を切り分けて説明することが最低限必要であると思います。

「素人ではそんなこと難しい」、それはもっともであり、勢いよく声をあげる当事者(というより関係者)の対応に裁判所が時間を忙殺されているのでは、という光景も良く見ます。

声の大きいものが勝つということの無いよう、弁護士への依頼がスムーズにできること、そして弁護士の解決策構築力と説明力が求められると思います。

 

2016.03.30 * 11:50
03月
28
「かんぽ生命」の相続

かんぽ生命の相続というと、若干語弊がありますが、

本稿では、被保険者が死亡した場合に受取人として指定されていた者もすでに死亡していた場合、だれが生命保険を受け取るのかということを検討します。

かんぽ生命の約款では、上記の場合は、「被保険者の遺族」(受取人の遺族ではない)が受取人となるとされています。

「遺族」とは、①被保険者の配偶者(内縁の妻を含む。)②子、③父母、④孫、⑤祖父母及び⑥兄弟姉妹並びに⑦被保険者の死亡当時被保険者の扶助によって生計を維持していた者 及び被保険者の生計を維持していた者とされています。

そして、上記「遺族」が複数存在する場合は、上記の番号①~⑦の小さい番号の遺族のみが受け取るとされています。

一般の相続とは違い、死亡保険金を分散相続させず、近しい関係にある者にまとめて受け取らせるのが被保険者の遺志にかなうとの考えからのようです。

民法とは異なる独特の相続の考えですが、相続の処理には割とよく登場する制度です。

2016.03.28 * 17:08
03月
24
預金と遺産分割(最高裁判例変更か)

預金は遺産分割の対象ではなく、相続分に応じて当然に分割される。

意外にもそれが判例の立場で、私の経験する遺産分割調停などでもまとまる見込みが無いケースでは、そのような説明を受けていました。

もっとも、銀行実務では相続人全員の合意無く預金を引き出し、解約することは基本的には応じておらず、判例の考えが実務に反映されているとはいい難い状態でした。

今回変更されるかもしれない判例は、実務の扱いに沿った形になり、相続人間の合意無ければ一切預金は凍結、不動産と同じ扱いになることが予想されます。

良い悪いということではなく、判例変更に沿った形で、遺産分割を経ずに預金を動かす方法を対策として講じればよいのだと思います。

 

2016.03.24 * 16:01
03月
18
投資信託の相続

相続において、法定相続分に応じて金額を分割することができる債権は、遺産分割手続を待たずに当然に分割されます。

銀行等への預金が代表的な可分債権です。

ただし、銀行実務は相続人ごとの個別の払い出しは認めてないのが実情ですので、通常は遺産分割を経て遺産預金を解約します。

「投資信託」については、預金と同じように銀行に預けてあるという感覚でしょうが、判例は帳簿書類の閲覧謄写請求権や委託者を監督する権利など不可分な権利が規定されている、として、可分債権としない考えをとっています。

遺産分割は長期化する可能性があるので、相続分に応じて引き出したいというニーズは多くなると思います。

2016.03.18 * 12:04
03月
10
親族の「縁を切る」ことの意味2

昨日に引き続いて、「縁を切る」ことについてです。

今日は、「縁を切りたい」と思って切ることができるかということを考えたいと思います。

合理的思考が可能な人間同士の関係では、相手から連絡や面談を強く拒絶されれば、人間関係が終了したと考え「接触を控える」あるいは関係修復のタイミングを計るためにやはり「接触を控える」ことが通常だと思います。

しかし、そのような合理的思考が働かなくなる場合は、「縁を切る」と告げると、相手がかえってしつこく「接触を試みる」態度を示すリスクがあります。恋愛感情が働いている場合、そして親族間の場合も合理的思考が働きにくくなる関係ではないかと経験的に思っています。

親族関係については。私自身の親子・兄弟(姉妹)にあてはめると、やはり「甘え」が強く働くのではないかと思います。「私の言い分をわかってくれるはず」「私の言い分を聞かないのは相手に非があるし、昔から治らない」「あいつは私の言い分を当然聞くべき立場だ」といった「甘え」の感情が、私自身にあてはめても働くのだと思います。

この「甘え」を背景に、「縁を切りたい」と思っても、相手が接触を試みる以上、結果として「縁は切れない」となりそうです。

なお、法律上血のつながった親族関係を断ち切る方法は基本的にありません。仮にあったとしても、相手が接触を試みてくるのであれば、一人で「縁切り」を宣言しても、その効果は無いと言わざるを得ません。

ここからは昨日の話につながるのですが、親族間の「甘え」を断ち切るためにも、弁護士への「交渉・連絡代理」は意義があると思います。親族だから「甘え」が強く働くのであり、第三者に対しては合理的思考を介在させざるを得ないのです。

 

 

2016.03.10 * 10:15
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