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04月
04
相続税申告期限

相続税申告・納税には被相続人の死亡を知ってから10か月の期限があります。

遺産分割に時間がかかる場合、申告期限内に確定的な申告ができなくなることはよくあります。

その場合でも、10か月の期限内に法定相続分や遺言内容に応じた申告をいったん仮に行うことで、無申告加算税をストップすることができます。

当初の申告期限が経過した後、遺産分割や遺留分減殺が確定してから、修正申告や更正手続きを行うことになります。

仮に申告を行う場合は、遺産から分配を受けないうちに、いったん数10万円から100万円を超える納税が発生するので、資金準備の負担は発生します。

しかし最終的に納税する額は少なくなるので、仮にでも申告を行うことが必要だと思います。

そのような状況では自身で進めるより、税については税理士に、遺産分割等の見通しは弁護士に相談して、早期に見通しを立てて進めるべきです。

やはり、税理士と弁護士の連携が不可欠です。

2016.04.04 * 10:26
03月
30
家事調停の利用法

先日の相談であらためて感じたことですが、裁判所に持ち込めば問題はすっきり解決するというものではありません。

相談者の方いわく、現居所では兄夫婦および兄の子供の家族と同居している。3階建ての自宅は兄と兄の子供、配偶者が建築資金を負担している。

これまで父親の在宅介護・日常の世話に自分が携わってきたが、父の死後、兄からいずれ家賃を払ってほしいと言われた。

父の年金・預金から月にいくらか自分の生活費を支出してもらっていた。父の預金の管理は相談者が行っていたので、預金を引き出し様々な支払いに充てていた。

建物敷地は父の単独所有または父の権利が存在している。兄は全てを自分で取得したいようである。

この状況で、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てても、裁判所で扱うのは、敷地の権利をどのように分割するかという点のみです。父の年金・預金から生活費を得ていたという話題は、遺産分割調停では「扱わない」となります。ましてや、兄にどれくらいの家賃を払うか、退去するなら立ち退き料を取れるかという点は、家庭裁判所では一切扱いません。

紛争(もめごと)はトータルで解決してこそ意味があり、トータルで捉えることにより、交渉材料が増え、解決の糸口が見えることもあります。この点、裁判所は原則的には遺産すなわち死者が遺した財産をどう分けるか(しかも預金は扱わないことが原則)のみを話し合う場であって、その他の争点は「当事者で話し合って下さい」というスタンスです。

ただし、調停が無意味というわけではありません。私の経験では調停委員はじめ裁判所はきちんと説明すれば、紛争の全体像についても聞き取りをし、理解も示してくれます。あくまで強制力を働かせるのは遺産分割のみというだけで、間に立って遺産分割の周辺事情、周辺の要望、トータルの解決案を相手に伝えることもやってくれます。

しかし、そのためには紛争の全体像をうまく説明すること、家裁が遺産分割の問題として扱える争点、本来は遺産分割調停の対象外だが交渉材料となりうる事情、こちらが譲歩できる事情、譲歩が難しい事情を切り分けて説明することが最低限必要であると思います。

「素人ではそんなこと難しい」、それはもっともであり、勢いよく声をあげる当事者(というより関係者)の対応に裁判所が時間を忙殺されているのでは、という光景も良く見ます。

声の大きいものが勝つということの無いよう、弁護士への依頼がスムーズにできること、そして弁護士の解決策構築力と説明力が求められると思います。

 

2016.03.30 * 11:50
03月
28
「かんぽ生命」の相続

かんぽ生命の相続というと、若干語弊がありますが、

本稿では、被保険者が死亡した場合に受取人として指定されていた者もすでに死亡していた場合、だれが生命保険を受け取るのかということを検討します。

かんぽ生命の約款では、上記の場合は、「被保険者の遺族」(受取人の遺族ではない)が受取人となるとされています。

「遺族」とは、①被保険者の配偶者(内縁の妻を含む。)②子、③父母、④孫、⑤祖父母及び⑥兄弟姉妹並びに⑦被保険者の死亡当時被保険者の扶助によって生計を維持していた者 及び被保険者の生計を維持していた者とされています。

そして、上記「遺族」が複数存在する場合は、上記の番号①~⑦の小さい番号の遺族のみが受け取るとされています。

一般の相続とは違い、死亡保険金を分散相続させず、近しい関係にある者にまとめて受け取らせるのが被保険者の遺志にかなうとの考えからのようです。

民法とは異なる独特の相続の考えですが、相続の処理には割とよく登場する制度です。

2016.03.28 * 17:08
03月
24
預金と遺産分割(最高裁判例変更か)

預金は遺産分割の対象ではなく、相続分に応じて当然に分割される。

意外にもそれが判例の立場で、私の経験する遺産分割調停などでもまとまる見込みが無いケースでは、そのような説明を受けていました。

もっとも、銀行実務では相続人全員の合意無く預金を引き出し、解約することは基本的には応じておらず、判例の考えが実務に反映されているとはいい難い状態でした。

今回変更されるかもしれない判例は、実務の扱いに沿った形になり、相続人間の合意無ければ一切預金は凍結、不動産と同じ扱いになることが予想されます。

良い悪いということではなく、判例変更に沿った形で、遺産分割を経ずに預金を動かす方法を対策として講じればよいのだと思います。

 

2016.03.24 * 16:01
03月
18
投資信託の相続

相続において、法定相続分に応じて金額を分割することができる債権は、遺産分割手続を待たずに当然に分割されます。

銀行等への預金が代表的な可分債権です。

ただし、銀行実務は相続人ごとの個別の払い出しは認めてないのが実情ですので、通常は遺産分割を経て遺産預金を解約します。

「投資信託」については、預金と同じように銀行に預けてあるという感覚でしょうが、判例は帳簿書類の閲覧謄写請求権や委託者を監督する権利など不可分な権利が規定されている、として、可分債権としない考えをとっています。

遺産分割は長期化する可能性があるので、相続分に応じて引き出したいというニーズは多くなると思います。

2016.03.18 * 12:04
03月
10
親族の「縁を切る」ことの意味2

昨日に引き続いて、「縁を切る」ことについてです。

今日は、「縁を切りたい」と思って切ることができるかということを考えたいと思います。

合理的思考が可能な人間同士の関係では、相手から連絡や面談を強く拒絶されれば、人間関係が終了したと考え「接触を控える」あるいは関係修復のタイミングを計るためにやはり「接触を控える」ことが通常だと思います。

しかし、そのような合理的思考が働かなくなる場合は、「縁を切る」と告げると、相手がかえってしつこく「接触を試みる」態度を示すリスクがあります。恋愛感情が働いている場合、そして親族間の場合も合理的思考が働きにくくなる関係ではないかと経験的に思っています。

親族関係については。私自身の親子・兄弟(姉妹)にあてはめると、やはり「甘え」が強く働くのではないかと思います。「私の言い分をわかってくれるはず」「私の言い分を聞かないのは相手に非があるし、昔から治らない」「あいつは私の言い分を当然聞くべき立場だ」といった「甘え」の感情が、私自身にあてはめても働くのだと思います。

この「甘え」を背景に、「縁を切りたい」と思っても、相手が接触を試みる以上、結果として「縁は切れない」となりそうです。

なお、法律上血のつながった親族関係を断ち切る方法は基本的にありません。仮にあったとしても、相手が接触を試みてくるのであれば、一人で「縁切り」を宣言しても、その効果は無いと言わざるを得ません。

ここからは昨日の話につながるのですが、親族間の「甘え」を断ち切るためにも、弁護士への「交渉・連絡代理」は意義があると思います。親族だから「甘え」が強く働くのであり、第三者に対しては合理的思考を介在させざるを得ないのです。

 

 

2016.03.10 * 10:15
03月
09
親族の「縁を切る」ことの意味

昨日のご相談で、妹にあたる方が「姉との縁を切る」ことを求めているが可能かという話題がありました。親族の縁を切りたいというご相談は程度の差はあれ結構お聞きします。

本日のケースはうつ病で就労困難な姉に父の遺産から数千万円に達する仕送りを4年間続けたが、分配可能な遺産も無くなり、姉の要望に応えられないということでした。

どのように対応するか、お姉様のスタンスに応じて様々な対応が考えられます。

「縁を切りたい」というご要望の内実としては、ご自身で連絡・対応することが「困難」あるいはそれを超えて「恐怖」になっているということではないかと思います。

道徳的には問題があるのかもしれませんが、このようなご要望は非常に切実です。

弁護士の立場としては、「連絡・交渉の代理」をご依頼いただき、代理人を連絡窓口いわば「盾」として利用していただくことが、「縁を切りたい」ご要望の内実に応えられると考えます。

そしてせっかく代理をご依頼いただくのなら、直ちに「縁を切る」のではなく、相手の要望の核心点と、自身の生活の平穏を保ちつつ「相手の要望に対応できる方法を柔軟に探る」ことを目指していただければと思います。

この柔軟に探るということが、人間は感情の生き物ですので、ご本人同士では実現可能性が低いと思います。しかし、第三者が間に入ることで相手に感情をぶつけることから双方解放される、ということが日々の業務において感じることです。

1時間の相談を終えてから「こういう方法もあるか」とか「こういう流れの可能性の方が高いが、伝わってなかったかもしれない」ということを思いつくことが出てきます。少ない情報で考えているのでやむを得ないとあきらめることも多いのですが、まだまだ未熟であると反省とともに締めくくりたいと思います。

2016.03.09 * 10:17
03月
08
売却できない土地

「田舎に残してある土地を処分したい」という相談も多くいただきます。

これに対しては、残念ながら「持ち続けるしかない」と回答しているのが実情です。

相談者の方が口をそろえて話すのが「国や自治体が引き取ってくれないか」ということですが、行政も流動価値のない不動産は引き取りません。

もちろん、流動価値がない土地については固定資産税は非常に低廉、または徴収されないことも多いです。しかし、金銭評価できない管理の負担はずっと続くことになります。

自治体によっては、「空き家バンク」などと言って、自治体が取引の仲立ちをするところもあるようです。その場合も売却益はほとんど無いけれど、処分できれば満足というくらいの気持ちで進めることになるようです。

私が懸念する問題としては、「土地を処分してあげるから〇百万振り込んで」という詐欺が横行しないかということです。

「田舎に残した」というレベルを超えて、リゾート地として分譲された土地が原野に近い状態になっている場合は「処分したい」という思いが非常に強く、それに付け込む詐欺には要注意です。

2016.03.08 * 10:34
03月
07
親の財産管理

相続関連の相談を多く受ける中で、来るべき相続に備えながら、親の財産を管理しているという方の相談を受けることが多くあります。

預金の出金に関する相談が最も多く、他の相続人(大抵の場合兄弟姉妹)に対して説明できるように管理するには、逐一領収証を保管する必要があるのか、という相談が多いです。

ただそもそも、親の介護や日常の世話について、そもそも親のための費用なのか、自分の生活費か、明確にできない費用というものが多く発生します。

同居している場合の水道光熱費、通勤で利用する自動車で親の介護や通院の送り迎えをする、親の買い物と自分の生活の買い物を一緒に会計する等、そもそも親の世話についての費用を明確に切り分けられないのが現実です。

そこで、日常の世話や介護について親から報酬をもらう「契約」を取り交わし、明確にできない費用の原資を作ることをよくお勧めしています。

報酬契約と併せて、親のためと明確に言える支出について領収証保管。この組み合わせで、親の生前の財産管理は大抵説明可能です。

さらに、定期的に私ご相談いただくことあわせてお勧めというか、お願いしています。こまめに状況確認させていただくことが、一番の対策となります。

2016.03.07 * 10:00
03月
03
遺産分割の解除

遺産分割において、遺された親の世話をすることを条件に、他の相続人より多く相続すると合意したが、その後親の世話をしなくなった。

遺産分割を「債務不履行」を理由に解除して、例えば土地の登記を戻すこなどはできるでしょうか。

最高裁の判決では、解除は否定。法律関係が不安定になるいうことが理由で、特に他の相続人が解除を望まない場合、その相続人が取得した不動産登記まで覆るのは不合理ということが理由です。

遺産分割の条件とまでしていたのに親の世話をしない場合、債務不履行に基づく損害賠償の余地はあるかもしれません。それも介護に要した費用を子供の人数で分担した分に止まるなど、訴訟費用倒れになる可能性が大きいです。

遺された親に介護費用分の預金くらいは確保して、他の子供が介護する場合でも費用を賄えるようにする。または、自宅不動産の名義に親の名義を残し、きちんと介護・世話をするインセンティブを作る。

遺産分割の際に、親の介護を見据えた現実的な合意を行わないと、後から修正するのは難しいということだと思います。

 

2016.03.03 * 12:15
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